2019-07-11

NECシンガポール研究所所長が語る「シンガポールでのイノベーション最前線報告と日本企業への提言」講演会をレポート!

2019年6月20日(木)に開催された殻破り道場(※1)主催の「NECシンガポール研究所所長講演会」に行ってきました。今日はその内容をレポートします。

テーマは「シンガポールでのイノベーション最前線報告と、日本企業への提言」です。

現在、NECシンガポールラボのバイスプレジデントとして、さまざまな研究開発に挑まれている山田 敬嗣 (やまだ・けいじ)氏。

彼がシンガポールに渡ったのは、2013年のことでした。そのきっかけとなったのは、NECが100年続けてきた製造・納品を行うビジネスに限界を感じ始めたときのこと。。

単なる製品づくりではなく、将来に向けた社会ソリューションに繋げていくことはできないか?など、新しい事業のあり方、そこに適合する研究開発はどうあるべきか?を問いていたのです。そこで、日本国内で取り組んでみたものの、ことごとく失敗。立ちはだかったのはさまざまな国内の規制でした。

そんな折、上司からシンガポールなら実現可能なのでは?と提言され赴任。早速、シンガポールに研究所を創設し、追ってインドにも創設。以来、さまざまなイノベートを実現してきました。

山田氏がシンガポールに赴いて驚いたのは、事業化へのスピード感。そして、政府がソリューション構築にかなり寛容なこと、ICTへの投資を惜しまない点などです。その証に、例えば政府主導で創設された「Living Lab」を民間企業に提供。そこは、新技術の実用性を試すことができ実証できたらすぐに実行に移せるという、研究者にとってかなりありがたい場があるのです。これは、シンガポールの経済政策に基づいた支援であり、山田氏が率いるNECも「Living Lab」を最大限に活用して、新しいソリューションを生み出しています。

具体的には、医療分野では病院の満床問題へのICTを活用した解決、テロ未然防止策や自然災害対策の構築、これらの小規模な市場であるパブリックセーフティの技術をエンタープライズへ応用し、さらに新しい価値を生み出すことに挑戦しています。

最後に「AI・IoTの特性とビジネス変革への問い」についても述べられました。

AI・IoTは、今までのソフトウェアと何が違うのでしょうか?ソフトウェアは、次々とオープン化されてきましたが、AI・IoTも同じプロセスをたどるでしょう。ただ、AIは学習能力があるので能動的なパフォーマンスが可能です。また、IoTはエッジシステムが搭載されているので、自身で必要なモノに繋がっていくことが可能です。

そんなIoTは現在、特定の工場やファシリティなどでしか活用されていませんが、もう間もなく、社会インフラ化していくでしょう。その時、どのようなビジネス変革が起きるのか?今、言えるのは、これまでは先に技術を造り提供するビジネスモデルでしたが、成長していくIoTやAIを活用するなら、造りながらより価値を高め提供できるようになるでしょう。より多くのデータ、より多くの接続システムを構成することで、より高性能なモデルができ、よってより大きな顧客価値を生む、そしてまた、より多くのデータをつなげる、という正のスパイラルが生まれ、新しい事業を創り上げていくことが可能になると考えられます。

AIやIoTなどとまったく異なる産業の方でも、この新たな社会インフラを新しいビジネスの源泉にするチャンスは大いにあると言えるでしょう。

※1 殻破り道場 とは?

大企業でイノベーションを先導してきた役員部長経験のイノベーター陣がメンターとなり、部長・課長・係長級イノベータ陣に対して、実体験に基づく、イノベーション実現・成功のヒントを伝える、双方向型のオンラインサロンです。適宜、オフラインでの対面の場も設けています。

詳しくはこちら https://karayaburi.jp/

ライター 伊東りり子

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